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オールブラックスが国際試合前に行う儀式「ハカ」の意味や種類を調べてみた[動画まとめ]

地球最強のラグビーチーム「オールブラックス」が国際試合前に行なう儀式、ハカ(HAKA)
ラグビーを知らない人でも、この「ハカ」を見たことがある人は多いんじゃないかな?
ハカは、ニュージーランドのマオリ族が躍る民族舞踊で、オールブラックスが1905年のイギリス遠征で初めて披露して以来、現在でもその伝統が受け継がれているんだ。
ラグビーファンの中では絶大な人気を誇り、生ハカ見たさに海外へ飛び回る人もいるほどなんだよ。
黒衣のジャージを身にまとったニュージーランド代表「オールブラックス」のハカを、まずは見てみてね。

これがオールブラックスが国際試合前に行なう儀式「ハカ(HAKA)」だよ。
マオリ族の戦士が戦いの前に、手を叩き足を踏み鳴らしながら自らの力を誇示し、相手を威嚇するという舞踊なんだけど、オールブラックスのハカは相手に対し「対戦してくれてありがとう」という、敬意感謝の意も込められているんだ。

ハカ(HAKA)の誕生秘話

このハカは、1810年に「ンガティトア部族長」の「テ・ラウパラハ」が踊った舞が発祥とされているよ。
当時、テ・ラウパラハは敵に追われて地下の食料庫に逃げ隠れたんだけど、その後、目の前に人が現れ「死」を覚悟したんだ。
でも幸運なことに、そこにいたのはテ・ラウパラハと親しい部族の長で、救出された喜びと感謝の気持ちを込めて踊ったものがハカ(HAKA)なんだよ。
このハカのことを総称してウォークライ(War Cry)とも呼ぶんだ。

ウォークライ

ウォークライ(War Cry)とは、戦いの叫びという意味で、オールブラックス(ニュージーランド)の他に、トンガやサモア、フィジー等のオセアニア地域でもこのウォークライが存在し、トンガ代表はシピタウ、サモア代表はシヴァタウ、フィジー代表はシビというものがあるよ。
それぞれのウォークライの動画はこちら。

トンガ代表の「シピタウ」
サモア代表の「シヴァタウ」
フィジー代表の「シビ」

ハカ(HAKA)の種類

オールブラックスのウォークライ「ハカ」には2種類あるんだ。
1つ目は、冒頭でも紹介した伝統的なハカ、カ・マテ(Ka mate)
1810年に「テ・ラウパラハ」が躍ったのもこのカ・マテだよ。
2つ目は、2005年8月に開催されたトライネイションズの「南アフリカ戦」で突如披露された新しいハカ、カパ・オ・パンゴ(Kapa o Pango)
このカパ・オ・パンゴは、「黒のチーム」という意味があり、特別にオールブラックスのためだけに作られたハカなんだ。
舞の最後に「首を切るジェスチャー」が含まれていることから一時期は問題視されたんだけど、オールブラックスから「相手の首を切る挑発的な意味ではなく、自らの首をかけて戦う意気込みを示すもの」との説明があり、現在でも継続して行われているよ。
これら2つの使い分けだけど、新しいハカ「カパ・オ・パンゴ」はここぞという試合で披露されることが多いんだ。
大会の決勝準決勝、または敗戦したことがある因縁の相手と対戦する際に踊られているよ。
今度はその「カパ・オ・パンゴ」を観てみてね。

こちらが、2つ目のハカ「カパ・オ・パンゴ」だよ。
どちらかといえば、古くから伝わる「カ・マテ」の方が人気・知名度共に高いけど、「カパ・オ・パンゴ」は絶対に負けられない試合の際に披露されるハカなので、どちらのハカが披露されるかも注目ポイントなんだ。


カ・マテ(Ka mate)の意味

ここでは、カ・マテの意味について説明するね。

Taringa Whakaraong!
(よく聞け!)
Kia rite!Kia rite!
(準備しろ!)
Kia mau hi!
(強く握れ!)
Ringa ringa pakia!
(手を叩け!)
Waewae takahia kia kino nei hoki Kia Kino hei hoki!
(強く足を踏み鳴らせ!)
Ka mate! Ka mate!
(私は死ぬ!私は死ぬ!)
Ka ora! Ka ora!
(私は生きる!私は生きる!)
Ka mate! Ka mate!
(私は死ぬ!私は死ぬ!)
Ka ora! Ka ora!
(私は生きる!私は生きる!)
Tenei te tangata puhuruhuru
(見よ、この勇気ある者を)
Nana nei i te tiki mai,
(ここにいる毛深い男が)
Whakawhiti te ra!
(再び太陽を輝かせる!)
A upane! ka upane!
(一歩はしごを上へ!さらに一歩上へ!)
A upane, ka upane
(そして最後の一歩、そして外へ一歩!)
Whiti te ra!
(太陽の光の中へ!)
Hī!
(昇れ!)

カパ・オ・パンゴの意味

次は「カパ・オ・パンゴ」の意味について説明するね。

Taringa Whakarongo!
(よく聞け!)
Kia Rite! Kia Rite! Kia Mau!Hi!
(準備して並べ!)
Kapa O Pango kia whakawhenua au I ahau!
(オールブラックスよ、国をひとつにさせてくれ!)
Hi aue ii!
(今だ!)
Ko Aotearoa e ngunguru nei!
(鳴動する我らの国よ!)
Au, au aue ha!
(今こそ、我が奮起する時!)
Ko Kapa O Pango e ngunguru nei!
(それこそが我らをオールブラックスたらしめる!)
Au, au, aue ha!
(今こそが その時だ!)
I ahaha!
(輝く時だ!)
Ka tu te ihiihi
(我々が支配し)
Ka tu te wanawana
(その優位は偉大なる勝利となり)
Ki runga ki te rangi e tu iho nei, tu iho nei ihi !
(敬われ高く掲げられる)
Ponga ra!
(シルバーファーン!)
Kapa O Pango, aue hi!
(我々はオールブラックス!)
Ponga ra!
(シルバーファーン!)
Kapa o Pango, aue hi!
(我々はオールブラックス!)

※シルバーファーンとは、ニュージーランドの国章で、ニュージーランドを象徴する植物「シダ」のことをいうよ。
オールブラックスのロゴとしても利用されているんだ。

伝説となったハカ

1905年に初披露して以来、幾度となく行われてきたハカだけど、伝説として語り継がれるハカがあるんだ。
それが、2011年の「ラグビーワールドカップ」ニュージーランド大会の決勝で行われたハカだよ。
決勝の相手は「フランス代表」。
フランスにとってはドアウェイ状態なんだけど、ハカを受けるフランス代表の行為が話題を呼んだんだ。
基本的にハカを受ける(見る)チーム側は、肩を組んでじっと待つことが暗黙の了解となっていて、決して義務付けられてはいないんだけど、これらを破ったら罰金が科せられる恐れがあるんだ。
でも、2011年のラグビーワールドカップ決勝戦でオールブラックスのハカが始まったとき、フランス代表が空気を一変させる行動をとったんだよ。
その映像がこちら。

ハカで威嚇してくる王者に対し、闘争心むき出しで「ハーフライン」を超えたんだ。
これは神聖なるハカに対して「敬意を欠く」罰金行為。
でもフランス代表は、罰金を覚悟した上での行動だったんだって。
この試合は7対8でフランスが敗れてしまったんだけど、今でもラグビーファンの中で語り継がれる名シーンとなっているよ。



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