モール【ラグビー用語中級編】
モールとは、インプレー中に行われる密集戦の一つで、両チームが立ちながら押し合うこと(ボールを奪い合うこと)をいうよ。
モールが成立すると、そこからは力勝負となり、レフリーに「ボールを出しなさい(ユーズイット)」と合図が出されるまでは押し続けても良いんだ。
レフリーから合図(ユーズイット)が出されるタイミングだけど、モールの前進が2回止まったときとされているよ。
そのため、相手にモールの前進を止められなければ、例え50mでも60mでも押し続けて良いんだ。
一つのかたまりを運転している様子から、これをドライビングモールというよ。
モールが成立する条件
このモールだけど、下記画像のように1対1で立ちながら押し合っても、モールとはならないんだ。
画像引用:WORLD RUGBY 競技規則
モールが成立する条件は決められていて、ボールキャリアー(ボールを持っている人)に対して、各チーム1人以上が立ちながら互いにバインドした状態で、はじめてモールとなるんだよ。
画像引用:WORLD RUGBY 競技規則
モールが成立するシーン
上記で説明した「モール」だけど、主に2つのシーンでよく見られるんだ。
1つ目は、ラインアウトからのモール。
例えば、ゴール前(敵陣インゴール前)で、マイボールラインアウトのチャンスがあったとするよね。
ボールを確保した後に、すぐにバックスへ展開するのも良いんだけど、ミスが発生するリスクもあり、何よりもパスを後ろに放ることで、せっかく目の前にあった相手のゴールラインから遠ざかってしまうんだ。
そのため、ゴール前でのラインアウトは、モールを形成して押し込む方がトライできる確率は高いとされていて、戦略的に「ゴール前=ラインアウトモール」とするチームが多いんだよ。
続いて、2つ目のシーンだけど、タックルを受けたプレイヤーが立ったまま味方のサポートを待ち、そこからモールが形成されることがよくあるよ。
スクラムとは違い、モールは綺麗にセットした状態から始まるものではないので、いかにモールへの参加者がまとまって押せるかがコツとなるんだ。
ちなみに、モールへの参加者はフォワード(FW)もバックス(BK)も関係なく、誰が参加しても良いんだよ。
モールにおける主な反則
ここでは、モールで発生する主な反則を説明するね。
コラプシング
コラプシングとは、モールやスクラムを故意に(わざと)崩すことをいうよ。
モールが「自然に」崩れてしまうことは仕方ないんだけど、「故意に」崩してしまうと重い反則を取られ、相手にペナルティキックが与えられるんだ。
自然に崩れたのか、故意に崩したのかの判定はレフリー次第だけど、相手チームにとってモールを防ぐ方法は、ボールに絡むか、力ずくでモールを止めるかしかないんだ。
アンプレアブル(プレイ不可能)
アンプレアブルとは、Un-play-ableのことでプレイ不可能という意味だよ。
これは反則とはまた違うんだけど、例えばモールの中で、相手選手にボールを絡まれたとするよね。
この場合、レフリーから「ユーズイット(ボールを出しなさい)」とコールがかかっても出せないことが多く、レフリーにプレイ不可能と判断されて、相手チームのボール(スクラムでの再開)になるんだ。
モールの重要性
モールは、トライに直結する非常に有効な手段のため、各チームは日頃からモールの強化に取り組んでいるよ。
モールを武器にできれば、相手チームにとってそれが大きな脅威となるんだ。
モールは、中心から最後尾でボールを持つ選手までの距離が長ければ長いほど良いモールといわれているので、試合観戦時に注目してみてみてね。
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