スクラム【ラグビー用語初級編】

スクラムとは、ノックオンやスローフォワードなど、軽い反則(ミス)によってプレーが中断してしまったときに、試合を再開させるためのセットプレーだよ。
昔はスクラメージ(scrummage)と呼ばれていて、現代では短縮されてスクラム(scrum)となったんだ。
スクラムは、フォワード(FW)と呼ばれる8人のパワー自慢の選手たちが相手チームと組み合って押し合い、真ん中に投入されたボールをで奪い合っているんだよ。

フォワードの平均体重は110㎏前後のため、1チームだけでも900㎏程度の総重量。
その両チームのフォワードがぶつかり合うことで、スクラムには約2トン近くの負荷がかかるともいわれているんだ。
あそこでは、想像を遥かに超えた壮絶なバトルが繰り広げられているんだよ。
また、このスクラムはバックス(BK)のプレーにも大きな影響を及ぼし、スクラムで前に押し込めるとバックスの選手はそれだけ余裕を持ってアタックを仕掛けることができ、ディフェンスの場合でも相手にプレッシャーをかけやすくなるんだ。
一方、スクラムで劣勢になってしまうと、バックスへのパスは安定性を欠き、予定していたサインプレーができなくなってしまうなど、その後のプレーにも大きく響いてしまうよ。
ラグビーにおいてこのスクラムは、試合を左右するほど重要で奥が深いプレーなんだ。


スクラムを故意に崩すと反則

スクラムは、低く組む方がより効果的だといわれているよ。
そのため、両チームは相手選手より優位な体勢でスクラムを組もうとするんだけど、それが崩れる原因となるんだ。
また、雨などで足場が悪いと、滑って崩れてしまうこともよくあるよ。
このように、スクラムが自然と崩れてしまった場合は再度「組み直し」となるんだけど、故意に(わざと)崩してしまった場合は、コラプシングというペナルティが取られてしまうんだ。
でもその判断が非常に難しくて、レフリーでさえも「自然と崩れたのか故意に崩したのか」、また「どちらのチームが崩したのか」わからないことがあるんだよ。

スクラムはマイボール側が有利

スクラムは、投入したボールを取り合う行為(セットプレー)だけど、当然、マイボール側(ボールの権利を持っている側)のチームが有利となるよ。
例えば、相手チームがノックオンをして、マイボールスクラムになったとするよね。
その場合、基本的には味方の9番(ハーフ)がスクラムの左側から投入するんだけど、両チームの真ん中ではなく、スクラムの中心線に肩を合わせて、自分の肩幅分だけ自陣側に立っても良いんだ。

画像引用:WORLD RUGBY 競技規則

また、スクラムを組む際、相手選手の頭の左側に、自分の頭を入れることが義務付けられているため、フッキングをする(投入されたボールを足で後ろに送る)2番のフッカーは、相手フッカーより少しだけ先にボールに触れることができるんだよ。
これらの理由から、マイボールスクラムは相手にボールを取られずに確保できる確率が高いとされているんだ。

画像引用:WORLD RUGBY 競技規則

でも、押されれば押されるほど、投入したボールが相手側にいってしまい、せっかくのマイボールを失ってしまうこともよくあるんだよ。
スクラムは試合中に何度も行われるセットプレーだから、その度にボールを失っていたら勝てる試合も勝てなくなってしまうよね。
以上のことから、ラグビーにおいて「スクラム」は非常に重要なプレーとして位置付けられており、ラグビー通になればなるほど、スクラムから目が離せなくなるんだ。
華麗にトライを決めるバックスも良いけど、スクラムでチームのプライドをかけて戦うフォワードにも、ぜひ注目してね。



関連記事一覧

  1. らがっぞ

    文章も図もすごくわかりやすかったです。
    ワールドカップにむけて、勉強させていただきます!

    • RAGAMARURAGAMARU

      コメントありがとラガね!
      これからもよろしくお願いしますラガー♪